YMF2019 ノミネート作品感想文(Aプログラム)

どうしても、すべての作品の感想文を書いておきたくて、ここに書き記すことにします。
上映順に感想を書いていて、観賞後に監督さんとお話をさせていただいたので、本人が見る可能性がありますが、だからといって忖度せず、感じたままのことを書きます。
なので、ひどいこと書くかもしれませんが、そこはごめんなさい、とあらかじめ謝っておきます😅

なお、ノミネート作品を観賞する前は、極力予備知識を入れないようにしていて、先入観なしに見るようにしています。
ネタバレしないように、なるべく気を使いますが、ネタバレやん! と思うところがあったら、それはもうその作品がステキすぎて、思いがあふれ出てしまったと思ってください😅

失恋科
長谷川徹監督
まあ、タイトルからラブストーリーなんだろうな、というのは当然想像がつくわけで、実際、最初は男が彼女に振られてしまう、というシーンから入ります。
で、なんやかんやあって、総合病院に行ったら内科や外科などと書いている中に「失恋科」というものを見つけ、男はそこを受診する…という、ストーリーなのですが、まず思ったのが「そのアイディアすげえ!😆」でした。
今までなかったのが不思議なくらい、シンプルにして画期的なアイディアだと思いました。

後から監督に話を聞くと、もともと脚本家だということで、調べてみたら「遺留捜査」「脳にスマホが埋められた!」などの、私の好きな作品の脚本も手掛けていて、後から、もっと媚びておけばよかった、と思っ……てはいませんが、脚本家は憧れなので、今後も楽しみです。

物語は、起承転結できれいにまとまっていて、あーよかったな、と思いきや、突然「転」があって「え? 何? 何?」と思ったら、一気に伏線回収して、真のエンディングへ…。
起承転結ではなく「起承転転結」でした😅

できれば、誰かと一緒に見て、その人がどういう反応するか見たい作品です(最後の「転」でどうなるか)

あと、主人公の名前が「小石輝男(こいしてるお)」で、そういうセンス大好きです😁

私もこういう脚本書きたい!

☆もし、誰か一人と一緒に仕事できる権利が与えられたとしたら、間違いなく長谷川監督を選びます。


Lemon&Letter
梅木佳子監督
あえて言おう。「梅木」を最初「うめき」だと思っていたことを。「梅木」と書いて「うめのき」と読むと知って衝撃でした😅

この作品は、瀬戸内海に浮かぶ「男木島」という実在の島が舞台になっていて、当然ながら私は事前に情報を仕入れないで観たので、主人公の海斗が男気を見せてくれる青春ドラマか? と勝手に想像してしまいました😅

あと、離れ小島と聞くと、山形県の人間としては「飛島」を思い浮かべますが、親戚がいるので、どこかそのイメージと重なって、非常に感情移入が強くなりました。

そのせいもあって、不器用な少年少女の純粋な恋物語に、50のおじさんはもう切なくてキュンキュンしてずっと号泣してました。

おそらく何回観ても泣いてしまうと思います😭

悲しい物語ではなく、前向きな物語なので、悲しくて泣いた、というのはありません。
むしろ癒しの物語です。

身近に離れ小島に住んでいる人がいるので、そういった人たちの気持ち、成長とともに変わっていく自分と周囲、それをどう受け入れて成長するのか、もしくは目をそむけるのか…そんな繊細な心の動きを、最小限のセリフと動き、表情だけで表していて、私の魂は揺さぶられました。

可能なら庄内で上映会したいくらいです。

また、梅木監督は香川県の方で、地域活性という側面からもこの作品を撮ったとのことで、地域密着型の作品を今後も撮ることが多いのでしょうが、山形県、庄内の自然を舞台にした作品も撮ってほしいなと切に願います。

☆世代が近いので、勝手に親近感を覚えています😅


来夢来人
若葉竜也監督
この作品、結論からいうと「私好み」ではありません。
日常生活の一部を切り取ったような作品は、ものすごく「私好み」なのですが、この作品は、ずっと「気まずさ」「距離感の難しさ」「こういう時はどう振るまえばいいのか」という、人間関係の難しさをずっと質問攻めされているような重苦しさがありました。
監督とお話はしていませんが(何を言っていいかわからなかった)、この感想文を書くにあたって、パンフレットを読み込むと、自分が感じたようなこと、そのリアルさを描いた作品だということで、そういう意味では狙い通り、まんまと術中にはまった、という感じです。

また、ラストのワンシーンで、「ん?」と思うことがあって、もう一度見返したら、違った感想になるのかもしれない、と思いました。

好みの問題なので、感想は多くを書けませんが、良作であることに間違いはありません。
観終わって、何も感じない、もう一度観たいと思わない…というのが一番良くないと思うので、そういう意味では、私にとって「人間の目をそむけたい部分」をしっかりと見せてくれたと思います。

だって、現実に、しかも自分にありそうな話だもん😂

☆自分が主人公と同じ状況だったら、もっと気まずいことになっていたと思います。


つむぐ

片山享監督

残念ながら、私の中では一番評価が低い作品です。
あくまでも個人の感想なので、「はぁ?👿」と思う方がいたら、あくまでも「私にとっては」ということでご了承ください m(_ _)m

まず気になったのが、ドローンを使った超ハイアングル…というか航空撮影? のシーンが何度かあって、それ自体は、最近のトレンドとしてありなわけで、否定するつもりはないのですが、正直単調に思えました。
「ドローンで撮影する」ことが目的になってしまっていて、それをうまく活かせていない気がしました。
このへんは今後新しい表現方法が出てくると思います。

あと、鯖江市の伝統産業の「石田縞」と、家族間の心のすれ違い、世代を超えて紡がれていく物語…それらをまさに糸をつむぐように、ひとつの作品の中に織り込んでいく、というストーリー自体はいいのですが、なんかこう「こういうのがいい映画なんだよ」と押し付けがましく言ってくる感じがして、どうも好きになれませんでした。

素材はいいのに、味がバラバラで残念な感じの料理、というのが私の感じたイメージです。

否定的なことばかりですみません😣

☆演者の皆さんは素晴らしかったです。あと、仮面ライダー龍騎からずっと津田寛治さんのファンなので、出演していて単純に嬉しかったです。


グラフィティ・グラフィティ!
松尾豪監督
今年のグランプリ受賞作品で、観終わった時、「間違いなくグランプリはこの作品だ!」と思って、授賞式の後、監督忙しいだろうな、と思って、その前に感想伝えなきゃ! と思って突撃した作品です。

とにかく素晴らしいのひとことで、最初はアップテンポなコメディ作品かと思わせておいて、途中からシリアスな青春ドラマ、社会派ドラマの様相を呈してきて、最後は一気に感動が押し寄せてきて、さらにエンディングのスタッフロールで「おおおおおおおっっっ!!」となる仕掛けが盛り込んであって、DVD化されたら即買う、と思った作品です。

この作品に関しては、「観て!」としか言えない…というか、言いたくないです。
こんな感想文を読む暇あったら、とにかく観て! 観ないと令和元年最大の失敗になるぞ、と。

すべての作品、観ながらメモしていたのですが、一番メモの量が多かったです。

正直、ハリウッドでリメイクされてもおかしくないと思います。

素晴らしすぎてこれ以上はもう書くことがありません😅

☆松尾豪監督はTV受けするキャラクターだと思うので、今後、TV出演のオファーが増えると思います。

以上、Aプログラムの作品の感想でした。

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