どこでも行ける車(ショートストーリー)

仕事もなく、お客様も来ないので、お金も書くこともありません😱

こういう状況で何が出来るか考えてみたら…

ショートストーリーを書こう!
と思ったので、ちょっとだけ考えました😅

本日のお題は
「どこにでも行ける車」


「ついに私の発明が理解される時代が来たか😤」
 
発明家として世間から全く相手にされてこなかった、松戸斎苑(75)は感慨深げにそう言った。

松戸はかつて、音声認識で自動的にひっくり返るちゃぶ台「オートチャーブ」など、奇妙な発明品を多く世に送り出してきた。

本来であれば、誰からも相手にされないような町の発明家なのだが、世界中に蔓延するウィルスの脅威から見を守るために外出を控えたい、でも買い物に行きたい、旅行もしたい…という要望に応えるために発明したのが「どこにでも行ける車🚙」で、これが大量に生産ができれば産業革命以来の大革命になること間違いないと世間の耳目を集めていた。

試作品が完成したとのことで、多くのマスコミが集まる中「どこにでも行ける車」の走行テストが行われた。

どこにでも行ける車は、簡単に言えばドラえもんのどこでもドアの車版だ。

まずは近いところから、ということで、100メートル先に一瞬で移動するというデモンストレーションが披露されると、取材に来ていたマスコミ陣から歓声が湧き上がった👏😆

「これはすごい😲」
「まさか本当に移動するとは!😂」
「歴史が変わった瞬間に我々は立ち会っている🤓」

絶賛の声があがる中、この車の最大の移動距離はどれくらいなのかという質問が出た。

確かにそこは気になるところだ。最大でも1キロメートルとか、言われたら、それはそれですごいのかもしれないが、本来のイメージとは全くかけ離れたものとなる。

松戸は興奮気味にこう言った。 
「アメリカだろうが南極だろうが、どこにでも行ける! 行ったことがある場所ならどこでも行けるんじゃ!!」

一瞬、おおっと歓声があがったが、それはすぐにある疑問によってかき消されてしまった。

行ったことがある場所ならどこでも行ける???

そう、この車の最大の欠点は「行ったことがある場所ならどこへでも行ける」なのだ。

従って、アメリカに行ったことがない人はこの車で一瞬でアメリカに行くことは出来ない。

ちなみに、松戸は発明ばかりしていて、海外どころか、町内から出たことがないとのことで、本当にどこへでも行ける車なのか、眉唾ものもいうことで、この発明はなかったことにされたのだった…。

松戸は自らの発明の正しさを証明するために、世界一周旅行を計画しているが、実現する予定は全くない。









コメント

人気の投稿