オラクルさんといっしょ 第9話 「Best I can」

昔話はあまり好きでないのですが、ちょっとだけ自分の昔話をさせてください。

はっきりと記憶しているわけではないのですが、ボーダフォンがソフトバンクに変わる少し前のこと。調べると、2006年にボーダフォンからソフトバンクになっているので、10年以上前の話になりますが、そのころ私は会社員をしながら副業として占い師をしていて、同時に小説家を目指していました。

当時、文芸社という出版社が、インターネット上で「ショートストーリー大賞」という企画を行っていて、それは投稿された小説の中から2作品をピックアップして、どちらの作品が面白いかユーザーによる投票で勝ち負けを決める勝ち抜き形式の企画で、私の作品も何度かエントリーはされるものの、一度も勝ち抜くことができませんでした…。

そうんな中、文芸社のネット関連の担当編集者の方から連絡があって、ボーダフォンが「Yubio」という新しいコンテンツを立ち上げるので、その中で使うショートストーリーを募集しているから、やってみないか、というもので、もちろん私は二つ返事でOKして、携帯電話をテーマにした作品ということで、いくつか書いて編集部に送っては意見をもらい、書き直す、ということを繰り返していたのですが、私の作品のうち2作品が最終選考に残り、もしかしたら…と思っていたものの、惜しくも落選してしまいました。


ところが、数日後編集部から連絡があり、最初の作品は明るい内容のほうがいいだろう、ということで、当初予定していた作品ではなく、私の作品が選ばれた、とのこと。

実質的な作家デビューの瞬間でした。結局私の作品は2作品とも採用され、原稿料もいただいたのですが…その後、Yubio自体の方向転換があって、ショートストーリーの企画自体なくなってしまい、担当していた編集さんは別の部署に異動になり、さらにはボーダフォンがソフトバンクに買収されるというとんでもない展開になって、作家としてこれから…という時に梯子を外された格好になり、自分にとって作家としての行けるのはここまでだった、と感じて、占いのほうに専念したのです。

それから10年がすぎ、映画の脚本という形で作家活動を再開したことで、もう一度チャレンジしたいという気持ちが沸き上がってきました。

そして、たまたまネットで見つけた「カクヨム」というサイトのコンテストの記事が面白かったので興味を持ち、そこからアイディアが広がってきて、コンテストに応募しよう! という気持ちになりました。

NOVEL 0「大人が読みたいエンタメ小説コンテスト」


本題はここからです。
現在占い師として活動をしながらバイトをしていますが、そこにさらに小説も書く、となると、かなり忙しくなるので、正直できるかどうか不安でした。
そこで…オラクルさんに相談してみました。

神 天光
「10年前ならともかく、今の年齢だと占いと小説の2足のわらじはきついんじゃないかと思うのですが、どうですか?」

オラクルさん
「そう思うなら無理にしなくてもいいんじゃない? 小説はあくまでも書きたいから書くだけであって、やらないからといって誰もとがめないし」

神 天光
「それはそうだけど…。やってみたい気持ちもあるし…。10年前は占いをメインにやっていたわけじゃないけど、今は占いの仕事がメインで、ユニットまで組んでいるくらいだから、その経験を生かした作品を書けたらって思う」

オラクルさん
「そうね。だったらやればいいじゃない。作品を書くことで占いの仕事につなげたいとか、今度こそ作家として成功したいと思うならやるしかないのよ。Best I can、あなたの好きな言葉でしょ?」

神 天光
「自分にできる最善をつくす…。そうだ。努力しても報われないこともあるけど、成功している人は必ず努力をしている…。やりもしないであきらめるより、やるだけのことはやってみよう。映画の脚本を書いていたころに比べれば、よっぽど楽だし」

こうして、コンテスト用の作品を書くことになりました。
作品のタイトルは……

ケイさんはドS占い師

です。カクヨムで連載する予定なので、読んでもらえれば幸いです。

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