映画制作プロジェクトについて その3

カンニングをモチーフにした脚本はかなりの自信作で、詳しい内容は割愛しますが、先鋭的で単純に短編映画として面白いと思える内容になったと思っていました。

それで、2回目のミーティングに自信満々で挑んだのですが…ミーティングがはじまる前に、ある人に脚本のあらましを説明したところ、ハートウォーミングな内容にしたほうがいいよ、と言われ、そんなことはまったく頭になかったので、突然巨大な迷路に入り込んでしまったような感覚に陥り、そもそもカンニングをテーマに、ハートウォーミングな作品なんて作れるのか? という気持ちでいっぱいでしたが、やるしかないと思い、いくつかストーリーを考えました。

このブログを書くにあたって、あらためて昔の作品を読み返してみましたが…今読んでも個人的には面白いのですが、やっぱり出来上がった作品と比べるとどこか足りないのかな…と感じる点がありますね。

そんなこんなで、かなりたくさんの作品を書いた中で、個人的に気に入っていた作品があって、今でもその作品は映像化したいと思っているのですが、それはさておき、いくら書いても書いても終わりが見えない、いっそカンニングをテーマにするのはやめたほうがいいんじゃ? という意見もあったくらい、行き詰ってしまっていました。

脚本のA君のほかに、監督や助監督、プロジェクトのまとめ役も加わって、あーでもない、こーでもない、とミーティングを何度も繰り返す中、監督から、あるアイディアが提案されました。
それは、実際の作品につながる内容で、そのアイディアをうまく盛り込んだストーリーを考えよう、ということになったのですが、そこからまた果てしなく堂々巡りを繰り返し、正直、何がどうなって、最終的な脚本につながっていったのかは、よく覚えていません。

いずれにせよ、これでいこう、となったときは、自分の中ではまだすっきりしないものがありました。
ただ、脚本の段階ではどうあれ、実際に映像になったときは、きっといいものになるだろうという予感はありました。

実際、撮影が始まってからは、その思いは確信に変わっていました。

つづく

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